公開講演会「多様な切り口で外国語教育を眺めてみよう」

INFORMATION

  • 2025年6月14日(土)13:30~16:45
  • 池袋キャンパス 14号館3階 D301教室

第1部:AI 時代の外国語教育—我々は失業するのか?!
Chat GPT や Claude, Gemini といった 生成系 AI が急速に普及する中、「もはや外国語教育は必要ない」、「早晩、外国語教師は失業する」といった過激(?)な言説もSNSを中心に広まっています。でも、本当に「必要がなくなり、失業してしまう」のでしょうか。この問いへの答えを考えるには、まずはAI のしくみとその現状を知り、加えて、いわゆる「インフルエンサー」の言説だけでなく、多様な識者の声を聞いていくことが大切だと思われます。本講演では、そのような過程を共有したのち、道具としてのAIの使い方、出力の解釈?判断のあり方などを考え、これからの外国語教育のあり方を探っていくことにしたいと思います。はたしてAI に打ち負かされないような講演になるか否か、当日を乞うご期待。

第2部:外国語学習に成功するには—自己効力感、学習方略、自己調整の大切さ—
第2部では、(第1部の議論を受けて)「外国語を学ぶ必要性はなくならない」とのスタンスから、学ぶ意欲を支え、その意欲を実際の行動に移していくために重要な3つ要素について議論を進めていきます。その3つの要素とは、(1)枠組みとしての自己調整学習(Self-regulated Learning) 、(2)原動力としての自己効力感(Self-efficacy)、そして(3)道具としての学習方略 (Learning Strategies) です(むずかしそうな概念ですが、1つひとつ説明していきますので心配無用です)。本講演では、これらの要素が相互に(円環的に)関係し、どのように外国語学習の成功につながっていくのか、また、どうすればこれらの要素にうまく働きかけ、伸ばして行くことができるのかを見ていきます。「信じれば救われる」という言葉がありますが、「信じるだけ」では「救われません」というのが帰結点となります。では、「救われる」(=成功する)ためには何が必要なのでしょうか。この講演を通して、皆さんにも考えていただければ幸いです。

講師

関西大学教授
竹内 理(たけうち おさむ) 氏

関西大学?副学長、外国語学部?大学院外国語教育学研究科?教授。専門分野は英語教育学(学習方略、自己調整学習、動機づけ)およびICT/AIの教育利用。神戸市外国語大学大学院修了後、同志社女子大学助手、助教授などを経て現職。助手時代にフルブライト奨学金を受けて米国へ留学。Monterey Institute of International Studies (MIIS)を首席で修了。兵庫教育大学連合大学院より、外国語学習成功者の研究で博士号(学校教育学)を取得。著書に『より良い外国語学習法を求めて』、『外国語教育研究ハンドブック』(松柏社)、『高校英語のパラダイムシフト』(三省堂)、訳書に『バベルをこえて』(松柏社)などがある。Applied Linguistics, International Review of Applied Linguistics in Language Teaching (IRAL), Innovation in Language Learning and Teaching, RELC Journal, Systemなどの研究ジャーナルに論文多数。中央教育審議会(12期)専門委員、大阪府教育委員、英語検定教科書(小中高)の編集委員など。

司会者

本学名誉教授、英語教育研究所所員
鳥飼 慎一郎(とりかい しんいちろう)

NHK高校講座(英語)元講師、科学研究費審査委員(2014年から2015年まで)大学英語教育学会賞?学術出版物選考委員。科研EMIプロジェクト研究代表者。2007年ランカスター大学より博士号(Ph. D. in Linguistics)取得。専門は英語教育学、コーパス言語学、司法英語、EMI(English-medium Instruction)。『New Crown English Series』(共著、三省堂)、司法英語関連の論文多数。

東洋大学准教授、本学兼任講師、英語教育研究所特任研究員、早稲田大学兼任講師
福田 晶子(ふくだ あきこ) 氏

本学大学院異文化コミュニケーション研究科異文化コミュニケーション専攻博士課程後期課程修了。博士(異文化コミュニケーション学)。専門は第二言語習得における学習者心理。主な論文に,Fukuda, A. (2024). Understanding self-regulated language learning in the context of Japanese university students’ self-study. In N. Fraschini, A. Lundberg & R. Aliani (Eds.), Advancing Language Research through Q Methodology (pp. 63-82). Multilingual Matters. Fukuda, A. (2020). Exploring learner beliefs in self-regulated learning: A case investigation of an English self-study, JACET Selected Paper, 7, 91-120. (大学英語教育学会賞新人論文発表部門受賞)がある。

詳細情報

名称

公開講演会「多様な切り口で外国語教育を眺めてみよう」

対象者

本学学生、教職員、校友、一般

申し込み

  • 事前申し込み 不要
  • 参加費 無料

主催

英語教育研究所

お問い合わせ

本学名誉教授、英語教育研究所所員
鳥飼 慎一郎

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